こんばんわ、中小企業診断士のりです。最近業績予想上方修正など明るいニュースを聞くことの多い自動車業界の3大企業、トヨタ、ホンダ、日産の収益に関する指標を比較してましょう。
なお、2020年に比較を行った記事がありますので比較してみていただくと面白いと思います。
売上高比較
以下が売上高の4年間および今期業績予想の推移です。
ここから分かるのは
- コロナで落ち込んだ2021年から各社すでに回復
- 3社ともほぼ同じような売上高推移
- トヨタはホンダの約2倍、日産の約3倍の売上高を誇る
- 売上高約20%前後の伸び率がある。(トヨタ,ホンダは15%~18%, 日産は22%程度)
このように業界そのものの売り上げが伸びているといえます。販売台数以上に円安が寄与している影響が大きそうです。また、日産はゴーン氏のごたごた、コロナショックなどで大きく売り上げを落としていましたが、他社と比べて売上高増率は大きいです。
営業利益・利益率比較
以下が営業利益の4年間および今期業績予想の推移および営業利益率推移です。
営業利益率推移
2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年(予想) | |
トヨタ | 8.2% | 8.1% | 9.5% | 7.3% | 10.5% |
ホンダ | 4.2% | 5.0% | 6.0% | 4.6% | 6.0% |
日産 | - | - | 2.9% | 3.6% | 4.8% |
ここからわかるのは
- 各社売上増加もあり、営業利益も同様に増加。
- 今期トヨタは驚異の営業利益率10%目標。
- ホンダは営業利益率の改善は乏しい
- 日産は他社と比べると営業利益率は低いものの改善傾向
ここでもトヨタ一強ですが、トヨタは更に営業利益率改善をしており独走状態です。一方日産はどこまで収益性を上げることができるのか注視したいと思います。
純利益推移
以下が純利益の4年間および今期業績予想の推移です。
ここでもトヨタ一強ですね。ホンダの約4倍、日産の約10倍の純利益を計上予定となっています。
株価指標
本日2023年11月20日時点での株価関連指標となります。
銘柄 | 株価 | 時価総額 | PBR | EPS(予想) | PER(予想) |
---|---|---|---|---|---|
トヨタ自動車 | 2780円 | 45兆円 | 1.18 | 291 | 9.53 |
ホンダ | 1564円 | 8.5兆円 | 0.62 | 188 | 8.32 |
日産自動車 | 596円 | 2.5兆円 | 0.40 | 99 | 5.99 |
ここから言えることは
- トヨタは業績絶好調ということもあり、他社と比べるとPBR, PERの観点で割高
- ホンダ、日産はPBRが1以下
私はトヨタの株主で、株価は順調に上がっておりホクホクですが、いまから買うとしたら悩みそうです。東証が要請しているPBR1を達成すると日産は株価はいまから2.5倍になります。自動車産業は衰退気味とみられているのでPBR1になるのは難しそうですがまだまだ上昇余地はありそうですね。
まとめ
トヨタ、ホンダ、日産の収益性について比較してみましたが、各社傾向は酷似している一方で、トヨタの独走態勢が目立ちます。日産は収益性改善途上ですが、その改善がどの水準までいくのか今後も注視したいと思います。
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