こんばんわ、中小企業診断士のりです。
FRONTEOの2024年3月期第二四半期の決算が11/14に発表されて、売り上げ増加、単期営業黒字化を達成し、株価は11/17時点で13%超上がっています。それほど決算が良かったのか詳細を見ていきましょう。
株価および各指標
まずは本日(11/19)時点での株価およびPBR, PERを見てみましょう。
EPS, PERは業績予想をもとにした数字としております。
銘柄 | 株価 | 時価総額 | PBR | EPS(予想) | PER(予想) |
---|---|---|---|---|---|
FRONTEO | 690円 | 271億円 | 5.6 | 1.27 | 543 |
時価総額はまだ271億円です。2021年秋にマザーズからグロース市場に移行した際に守本社長は以下のように述べています。
「FRONTEOは事業の拡大成長を優先し、グロース市場を選択しました。プライム上場基準の「最近2年間の利益合計25億円以上」、または「時価総額1000億円以上」をできるだけ早く達成し、プライム市場への早期上場を実現します。」
現在の発行株数のままとすると、時価総額1000億円となるのは株価が約2550円となる必要があります。社長の発言はそこも通過点でしかないというものでした。当時の発言から2年が立っていますが、その道はまだまだ遠そうです。
2024年3月期第2四半期決算概要 - 損益計算書
まずは今期決算の目玉である売上高および営業利益の推移がわかる損益計算書を見てみましょう。
ここからわかるポイントは以下の通りです。
AIソリューション事業の売上高が急伸し営業黒字化を達成したと読み取れますが、これは東京UFJ銀行へのKIBIT導入が大きく寄与しているとのことです。来期以降もこの増加傾向が続くのか、一過性なのかは今回のIR資料からは読み取れませんので、油断なりません。
また、AIソリューション事業の中の、創薬についてはPoC(概念実証)が複数行われているとなっていますが、相手は大企業のはず。PoCから契約までは最短半年、通常は一年とかかかるはずなので売り上げはすぐには立たなそうです。以下IR資料参照ください。
またリーガルテック事業の売上高は微増にとどまっており苦しい展開が続いています。売上高回復に時間がかかるのはいいとして、AI比率が上がってきません。AI比率を上げるためにもそれ以外の案件を断ると方針を立てていたはずなのですが、上手くいっていないのでしょうか。その詳細に関する説明はありませんでした。
2024年3月期第2四半期決算概要 - 貸借対照表
それでは貸借対照表を見てみましょう。
ここからわかることは
このように資産構成は特に問題ありませんので、新規株券発行などは当面必要ないと思われます。しかし預金が減ってきているので注視は必要です。
2024年3月期第2四半期決算概要 - ステージ4に向けて
FRONTEO社が掲げるステージ4のゴールである売上高300億円超についてUpdateがありました。
これまで言及されてこなかった経済安全保障分野の売上高が個別に表現されるようになりました。この分野がこれからの一つの注力分野になるという姿勢の表れからだと思います。今後も注視が必要です。
まとめ
FRONTEOの決算資料をまとめましたが、私個人の感触としてはそれほど楽観的ではないです。今回の売上増加が継続的なものなのか、一時的なものなのか。それが読めません。一方会社としては業績目標の下方修正はしていないため、伸ばせる自信があるのでしょうか。ともあれ、来期も確実に売り上げが伸びていることが確認できればFRONTEO飛躍の年となるのではないでしょうか。
私も株主としてそうなることを願っています。
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