中小企業診断士のりの企業診断日記

中小企業診断士としての観点で投資に役立つ企業診断を行います。

【国際石油開発帝石, 1605】2020年度本決算分析 - 配当維持 & 来年増配で利回り3.7%

 

こんばんわ、先週はINPEXこと国際石油開発帝石の決算が発表されました。
水曜日に発表されたので金曜日の株価に注目しておりましたが、1%程度の微上昇でしたね。
ですが、今期の配当維持および来年のV字回復および増配が発表され好感を持てる決算だったと思っています。
それでは詳細を見て行ってみましょう。

 

 ちなみに前回の決算時に分析した結果が以下の通りです。
 

noritamashindan.com

 

noritamashindan.com

 

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株価および各指標

まずは本日(2/12)時点での株価およびPBR, PERを見てみましょう。
EPS, PERは来年の業績予想をもとにした数字としております。

銘柄 株価 時価総額 PBR EPS(予想) PER(予想)
国際石油開発帝石 723円 10572億円 0.39 68.4 10.5


やはりOil&Gasを扱う企業とあって将来性は望まれおらずPBRで0.39と超割安水準ですし、PERの観点からいっても10.5とこちらも割安水準といえます。
確かに環境対策への重要性が問われている中で資源ビジネスは今後厳しい状況になることは間違いありませんが、それは数年後ではなく十年後でしょう。
私の持ち株比率第一位なので色眼鏡付きですが、やっぱりまだまだ買いの状況にあると思っています。

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2020年度第三四半期決算概要

ここからは発表された決算発表資料を基に進めていきます。
なお、以下が3Q時点で発表されていた業績予想となります。

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まずは業績からみてみましょう。

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上記の前年2019年12月期は9か月の変則決算でわかりにくいですので以下資料もみましょう。

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要点は、

  • 2019年一年間の比で売上高-34%と大幅に減少
  • 純利益は上方修正となる-1360億円 -> -1117億円で着地
  • その主な要因は油価回復による売り上げ高上昇が主な要因と思われる

売上高の減少が厳しい数字ですね、最近の油価回復でどこまで戻してくるか気になるところでしたが年間では-34%でした。収益性については、純利益が若干の赤字縮小の上方修正でしたが、この詳細をもう少し見てみましょう。

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前回の記事でも触れましたが、ベース純利益というものをINPEXは使っています。

*2 ベース純利益:親会社株主に帰属する当期純損益から一過性損益(減損損失△1,899億円等)を控除した額

 一過性損失はキャッシュが出て行っていない一時的な損失のことを指しており、INPEXの場合は油価減少による油田の価値減少でしょうか。
その一過性損失を除いた利益をベース利益としていますが、それは昨年比大幅減少ではあるものの546億円の黒字を確保できています。つまり、来年更なる油田の価値が落ちない限り今年同様の油価であっても同様の利益は確実に確保できるだろうということです。

またこの資料からわかる通りネット生産量はこのコロナ禍でも上昇させています。ほかに決算資料に書かれていますが、2018年より操業しているイクシスLNG PJの生産量が伸びていることが主因のようです。

なお、イクシス LNG PJは日本にとって大変意義のあるPJです。これまで日本が主体のオペレーターとなるLNG PJはありませんでした。LNG最大の輸入国である日本として安定供給のためにも、その主体となり日本で初めて挑んだPJがイクシス LNGプロジェクトです。これが順調に生産量を伸ばしていることは何よりもうれしいニュースです。

 

 

最後に業績予想についてです。

 

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ここでの要点は、

  • 来年の純利益予想は1000億円の黒字
  • 生産量は今年度より若干の減少(理由は明記されておらず)
  • ベースとした油価はブレンド原油価格で53$
  • 配当は増配となる27円を想定

 やはり今年度のベース利益より上回る予想である1000億円としてきました、ただ、気になるのは原油価格を低めに見積もっていることです。現時点でのブレンド油価は62$程度となっています。これが今後軟化するという予想をINPEXは立てているのでしょうか。

なお油価に対する業績への影響は以下にまとめられています。

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このまま油価が上昇を維持し、更なる業績V字回復を目指してほしいものです。

 

まとめ

 INPEXの決算いかがでしたでしょうか?

私はまだまだガチホですね。PBR/PER双方でかなりの割安水準。さらに配当もある。しばらくお世話になりそうです。

 

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