お久しぶりです。ちょっとブログ更新が滞っていましたがまたゆっくりと再開していきます。
さて、年末期の決算が続々と出始めましたね。それらを少しずつ振り返っていこうと思いますが、第一弾はやっぱり気になる航空業界のANAです。
巨額赤字、新株公募、社員の待機などニュースが絶えないですが、決算を見てみましょう。
なお、公募増資公式発表直前に前期時点での財務諸表分析を行っておりますので興味ある方はぜひご覧ください。(この後公募増資額は3300億円と発表されました)
株価および各指標
まずは本日(1/31)時点での株価およびPBRを見てみましょう。
銘柄 | 株価 | 時価総額 | PBR | EPS(予想) | PER(予想) |
---|---|---|---|---|---|
ANA | 2220円 | 1.08兆円 | 0.98 | -1363 | - |
PBRについては今回発表されたBook-Valueを使用していますが、まだPBR 1を割り込んでいる状態です。しかし当然ながら割安株と思うことなかれ。
次期にさらに巨額の赤字を計上予定ですのでそれを考慮すればPBRは1以上になりますので注意ください。
2020年度第三四半期決算概要
ここからは発表された決算発表資料を基に進めていきます。
10月から本格的に始まったGo to Travelはどれほど好影響を及ぼしているのでしょうか。
まずは業績です。
一方これが発表している業績予想となります。
昨年同期と比べると売上66.7%減ととんでもない数字ではありますが、業績目標に対して売上高の進捗率は71.3%となっております。
収益に関しては以下のスライドがわかりやすいかと思います。
要点は、
- 営業赤字幅縮小傾向となり2020年7-9月期1200億円あった赤字が10-12月期で約800億円
- 純損失は約1200億円と今季最大。これは損益計算書では特別損失として事業構造改革費用約760億円を計上した影響している、
2021年1-3月期はGo to Travel中止となったため今期より更に厳しい決算(7-9月期同等か)になると想定されますが、どうでしょうか。
次にセグメント毎の収益を見てみましょう。
売上高の8割を航空事業が占めており、そこが巨額損失の原因となっております。
航空事業でのセグメント利益は第2四半期累計で2800億円程度の損失でしたので10-12月期のみでも約700億円ほどの損失になっていることになります。
Go To Travelで国内線はすこし需要回復したのでしょうが国際線が戻ってこないことには赤字から脱却は難しそうです。
財務諸表分析
次に財務諸表分析と行きましょう。昨年期から9月期、12月期の推移を示しています。
ここでの要点は、
- この三か月で3600億円の借入金増加
- 公募増資による資金調達により自己資本増強されたが損失があるため1600億円増加にとどまる
- 資金調達および公募増資による資金調達で、流動資産1.3兆円と備え万端
- 第4四半期でさらに1000億円の赤字が計上される予定だが、自己資本1兆円あるため自己資本比率は30%弱で留まるだろう
現金を相当備えているので今すぐに傾くことはないでしょうが、来年も今期同様の損失を計上するようでは、また公募増資など思い切った資金調達が必要になるでしょう。
まとめ
やはり厳しい決算結果となっていますが、セグメント分散がされていない業種のリスクが本当によくわかります。
いずれ人の移動が回復すれば業績が戻る。と思って株を買おうと思っている皆様、もう一度立ち止まって分析してみてはいかがでしょうか。
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