こんにちは、のりたまくんです。きょうはわたしも従事しているプラントエンジニアリング業界の紹介です。以下は私が中東に駐在していた時のものです。砂漠に工場を建てる。私にはロマンがいっぱいです!
近頃、株価は低迷気味でバリュー株として取り上げられているのをツイッターで目にするので、一度比較してみようかなと。
何記事かに分かれると思いますが、今日はまずは株価・売上高・利益の収益性について比較したいと思います。
それではいってみよー
目次
株価・時価総額・PBR
各社の10年間の株価の推移を並べます。若干の差はあるものの、動きがほぼ一緒!
各社の評価というよりは業界としての評価が反映されやすいんでしょうか。おもしろいですね。
また以下は本日2020年11月23日時点での株価・時価総額・PBRです。
PBRとはPrice Book-value Ratio(株価純資産倍率)であり、1倍を下回ると割安株と言われます。将来の成長を見込まれない業界の株価は1倍を下回ることが多いです。
千代田化工はいかにも述べる大規模損失計上により純資産減少により高い値ですが、
日揮、東洋エンジは割安ですね。
売上高推移
各社の2016年3月期からの売上高推移です。
要点は以下の通りです。
業界として減少傾向となっており、業界一位の売り上げを誇る日揮も逆らえずにいます。その中で東洋エンジは健闘しているようにも見えますね。
この減少傾向は油価に大きく関係しています。
ご存知の方も多いと思いますが2013年ごろにアメリカを中心にシェールガス革命が起きました。シェールガスの大規模採掘が可能となり原油価格が大幅下落いたしました。これにより当時プラントオーナーであるEXXONやCHEVRON等が一斉に投資を抑えることになります。プラントエンジニアリングは、受注後5年前後かけてプラントを建設します。つまり、投資抑制が数年間にかけて影響していくこととなります。
その後2017年前後に、コストダウンを強いられるものの新たなプラント建設が動き始め、市場が回復して始めたところに、、、コロナ襲来!
現在価格は40$前後を推移していますが、プラントオーナー側は油価安により大規模赤字を計上しており投資を大きく抑制しており、この半年間で多くの新規建設プラント計画が中止・延期になりました。油価がある程度回復しないことには新たな仕事はなかなか来ないでしょう。さらにこの影響は今後数年続くことになります。
純利益推移
次に純利益の推移です。
要点は以下の通りです。
- 純利益は日揮が独り勝ち状態
- 2017年から2019年で各社大規模赤字を計上
- 2019年千代田化工が想像を超えた赤字(2149億円)を計上し三菱商事の支援を受けた
- 2020年、2021年は千代田化工も回復傾向
利益は、日揮の独り勝ち状態ですね。日揮は2017年に200億円の損失を計上した物のその後利益を出し続け回復しています。
東洋エンジは2018年の約280億円の損失が、他年度利益に対して大きすぎ、まだダメージがありそうです。
千代田化工は、2017年に約400億円、2019年に約2100億円の計2500億円の赤字を計上しました。好調時でも千代田化工は純利益200億円程度です。取り返すのに12年はかかってしまいますね。
まとめ
- 株価の推移は各社とも同じ傾向。業界としての評価が反映されやすい
- 日揮・東洋エンジは株価割安圏
- 売上高は各社とも減少傾向。これはシェール革命の影響
- コロナの影響による売り上げ減少は今後数年に及ぶ
- 純利益は日揮の独り勝ち状態。他2社は多額損失を取り返すだけで数年かかる