こんにちは、のりたまくんです。
昨日の決算発表を経て、本日の終値はなんと-11%の735円まで大下落しましたね。。。
決算情報だけではなく、コロナワクチンに関する情報によりグロース株からバリュー株への資金流出によるマザーズそのものの地合いが悪い日と重なったのも要因の一つかと思います。
さて、今日は決算発表の財務諸表を基にFRONTEOの現状を見てみようと思います。
なお、昨日発表された決算は以下に纏めているので、まだ御覧になられていない方は一読ください。
収益性
昨日の決算発表では、保守的な数字としつつも業績予想の変更はありませんでした。
2020年3月期と比較すると以下のようになります。
要点は、以下の通りとなっています。
- 売上高は微増にとどまる。
- 今期営業黒字転換・純利益も微小ながら黒字予想
後述いたしますが、仮に今期も昨期同様の大幅赤字になると財務状況が破綻しかねない状況になってきています。大幅な新株発行等のよる資金調達などが必要になるのでなんとか死守してもらいたいものです。
安全性
2020年3月期と今回発表があった2020年9月での財務諸表を比べてみましょう。
要点は、
まず一つ目は、短期安全性指標である流動比率ですが、流動比率は一年間に出ていくであろう現金相当に対する現在持ちうる現金相当の割合を示しており、一般的には100%を超えることが必要、200%あれば望ましいと言われています。FRONTEOは100%を大きく下回り、悪化しております。これは相当短期の資金繰りが苦しいでしょう。
二つ目は、自己資本率低下についてです。これまで大幅な赤字を計上しており、自己資本を減らしてきました。しかし、これ以上減らせないところまで来たようです。つまり赤字はもうだせない。
というのも今回発表があった8億円の新株発行。そのIR資料の中に気になる記載がありました。
また、当社グループは、前連結会計年度において、借入基準年度又は前々連結会計年度末における純資産の75%を維持する財務制限条項に抵触している状況にありますが、本業務資本提携により純資産の増加に寄与する見込みであります。
財務制限条項とは私も初めて聞きましたがgoogleで調べた限りでは、銀行などから借り入れをする際に与えられた条項で、純資産を前年度比75%を下回らないように。というものだそうです。これに抵触すると一括返済を求められるなどの処置があるようです。FRONTEOは、現状の純資産では条項に抵触していたため、新株発行による資金調達、自己資本増強は必須だったということです。
また、これは私の想像ですが、これをクリアしないことには新たな借り入れをすることは困難だったのでしょう。相当資金繰りが苦しかったんだと思います。とはいえ、学研HDとの業務提携はFRONTEOのVISIONとも一致しており、結果オーライになればいいですね。
しかしここから更に赤字計上し純資産(自己資本)を減らすようなことがあれば、先日JALが行ったような大規模な新株発行による資金調達が必要になるかもしれません。要注意です。
まとめ
・今期業績予想は売上高はそれほど伸びないが黒字転換予定
・短期安全性は危険水域!だが借り入れも容易ではない状況だった
・今回の新株発行(8億円)により財務制限条項はクリア。
・これ以上の赤字垂れ流しは要注意。新株発行による資金調達が必要になる可能性大
以上になります。株を買う前にこの知識があればFRONTEOの株は買っていなかったかも。。。とはいえ、一度買った株はそうすぐには手放しません、引き続き応援していきましょう!