こんにちは、のりたまくんです。
先週末にJALが最大1680億円の公募増資を発表し賑わせましたね。
私もJALの株をいつか買おうと狙っていた矢先でしたので、びっくりいたしました。
果たして週明けの株価はどうなるのでしょうか。
公募増資に至った理由を財務諸表から読み解いてみましょう。
そもそも公募増資とは??
公募増資とは、会社の資金調達方法の一種で新たな株を市場に出し株主に売ることで資金を調達する方法です。企業としては、調達した資金は返済義務はなく、負債ではなく純資産として帳簿に載せることができます。
一方、これをされると既存の株主はたまったもんじゃありません。
新たな株が市場に出回る、つまり会社の価値は変わらないのに市場に流通する株が増えます。言い換えるなら、スープの素の量が変わらないのに急に水を追加されたようなものでしょうか。もう想像がつくかもしれませんが、いま皆さんが持っている株の価値が下がる(薄まる)ことになりますよね。
1680億円ってどれぐらいの影響?
9月末時点でのJALの純資産は約8700億円あります。これに対して1680億円の増資が行われます。つまり約20%分資本を増やそうということですね。
そう単純な話ではないのでしょうか。現在の株主としては持っている株の価値が約15%減少するのでしょう。市場が開けたらどうなるか。。。いまから想像するだけで恐ろしい。。。
財務諸表分析
財務諸表から算出される安全性をコロナ前の2019年3月、コロナ開始の2020年3月、最新の2020年9月で並べてみましょう。
自己資本比率とは、自社資産をどれだけ自己資本で賄えているか、つまり負債が少ないかを示す指標です。
2019年3月から2020年3月までは自己資本に大きな動きはありませんが、短期安全性が大きく下がりました。これは、負債は増やさず手持ちの現金相当の資産を減らしたことを意味しています。
2020年3月から9月までは、自己資本比率が大きく下がりました。これは新たな負債を借りたことを意味しています。そのお陰で短期安全性は少し持ち直していると読み取れるでしょう。
つまり、2020年3月までに手持ちのCashを減らし、それ以降負債を増やしながらお金のやりくりをしてきたのでしょう。それでもらちが明かないため今回の大規模公募増資となったと読み取れますね。
まとめ
- 公募増資は既存株主にとっては大問題。株の価値が落ちる。
- 1680億円は現純資産の約20%分。それだけ株の価値が薄まる。
- 週開けの株価は要注意!
- 資金繰りは相当苦しい。万策尽きた結果の公募増資。